【フロートガラス】
ガラスの中で最も一般的に幅広く使用されているガラスです。
特徴としては、表面がつるつるしていることです。
一見、無色透明と思いがちですが、実は緑の透明色なので
ガラスの厚みが増すと薄緑に見えます。
「厚み」2mm~9mm 戸建てデフォルト3mm マンションは高層になるほど厚くなる
【型板ガラス(霞)】(凹凸ガラス)
フロートガラスの片面に凹凸した模様をデザインしたガラスです。
主に目隠しをしたい箇所に使用されます。
「厚み」4.6mm(厚み2mmのものは『梨地』と呼ばれます)
※専用フィルム使用(水貼りNG、ドライ貼りOK)
【すりガラス】
フロートガラスの片面を細かい砂で削ってツヤを消し不透明にしたガラスです。
表面はざらざらしています。
≪注意≫フィルムを貼ることは可能ですが、ざらざらな面に水をかけてたり透明フィルムを貼ると
目隠し効果は無くなってしまう特性があります。
「厚み」2,3,4,5,6,8,10,12,15,19mm
【網入りガラス】
ガラスにワイヤーを入れたガラスです。
主に火災時のガラスはじけ割れ防止として使われます。
ガラス内にワイヤーが入っているため、構造上、強度がフロートガラスに比べ6割程度しかありません。
そのため、熱を吸収しやすく熱割れを誘発しやすいのでフィルムを貼る際は細心の注意が必要です。
「厚み」
・ヒシワイヤー(6.8,10mm)
・クロスワイヤー(6.8mm)
・プロテックス(6.8,10mm)
※災害時にはじけ割れは防げるが、下に落ちるので飛散は防げない
【複層ガラス】(ペアガラス)
ガラスとガラスの間に空気層やガス層を持たせ断熱性能を高めたガラスで別名ペアガラスとも呼ばれます。
中間層が寒い外気を遮断し、暖房の効率や遮音性を高めるため、寒冷地のみだけではなく、
全国の新築住宅で普及が進んでいます。
「厚み」2,3,4,5,6,8,10,12mm
・断熱→寒さ対策(中の熱を逃がさない)
・遮熱→暑さ対策(外からの熱を遮る)
★夏場→約75%が窓ガラスが原因で室内が暑くなると言われています。
★冬場→約50%が室内の中の熱が窓ガラスから逃げて寒くなると言われています。
【Low-Eガラス】(ペアガラス+遮熱効果)
複層ガラスに特殊な金属膜をコーティングしたガラスです。
遮熱、断熱効果が高いことが特徴です。
日本の住宅では、サッシが樹脂ではなくアルミを使用されることが多く
その理由で、断熱効果をもたらすためにLow-Eガラスが多く使われています。
≪注意≫熱割れのリスクが高いガラスのため注意が必要
「厚み」2,3,4,5,6,8,10,12mm
※透明フィルムのみOK
【強化ガラス】
フロートガラスと比べて約3.5~4倍の強度を持ちます。
また、割れて粉々に砕け散ることが特徴です。
面での圧には強いですが、鋭利なものでたたくと簡単に割れてしまうので
防犯性能は高くないです。
さらに、強化ガラスはフロートガラスに比べ表面が柔らかく傷が入りやすいため
刃物や鋭利なものを使用する際は細心の注意が必要です。
「厚み」2,3,4,5,6,8,10,12,15,19mm
※粉々に割れたものでも怪我します
【合わせガラス】(防犯ガラス)
ガラスとガラスの中間にフィルムや樹脂などの特殊被膜を挟み込んだ構造をしており、
強度に優れているガラスです。
特殊被膜は、紫外線カット効果に加え
被膜を複数層にして強度を増したもので防犯ガラスとして利用されることが多くあります。
CPマーク→国土交通省・経済産業省・警察庁が認定した侵入に5分以上耐えられるものに対して貼ることができるシール
※貼付には国家資格保有者に限る
★空き巣・強盗の6割以上が窓から侵入すると言われています
★そのうち、侵入に5分以上かかると約7割は諦めるとも言われています
【熱線反射ガラス】
ガラス表面に薄い金属膜をコーティングしたガラスです。
金属膜が日射光を遮ることで遮熱効果が期待出来るのが特徴です。
主に高層階のビルなどに多く使われています。
「厚み」6,8,10,12,15,19mm
【熱線吸収ガラス】
熱の吸収を高めるためにガラスの原料に着色してあるガラスです。
色はグリーン・グレー・ブロンズの3種類が主流です。
日射を30%~40%吸収することで、省エネ効果が期待できます。
原料に着色をしてありますので、厚みが厚くなるほど色が濃くなります。
※熱の吸収によって、ガラス自身の温度が高くなり透明のガラスより熱割れしやすくなります。
「厚み」5,6,9mm
【熱割れとは】
窓ガラスが日射を受けた場合、ガラス中央部は周辺部分に比べて早く温度が上昇します。
一方、サッシ付近などの周辺部分は日射を受けず、サッシや躯体への放射もあるので温度上昇は緩やかです。
その為、ガラスの中央部分と周辺部分では温度差が生じ、中央部分は膨張しようとするのに対して
周辺部分は定温の為膨張しません。
この結果、周辺部分に引張応力が発生します。
このようにして発生する熱応力(周辺部分の引張応力)がそのガラス固有の強度(許容応力)を超えるとガラスが破損します。
これを熱割れと言います。
※熱割れ→出だしが直角が特徴
※ひび割れ→出だしが直角とは限らない